Vtuberは箱推しの時代
キャラクターを用いて動画投稿・配信を行う、いわゆるVtuberがついに9000人を超えた。
https://www.userlocal.jp/news/20190905vq/
2016年にVtuberの先駆者であるキズナアイが生まれ、2017年末には彼女をはじめ、電脳少女シロ、ミライアカリ、バーチャルのじゃロリ狐娘Youtuberおじさん、輝夜月含めた「バーチャル四天王」らにより爆発的ブームとなり、2018年に入るとその数は増加、多くの企業が彼女らに続けと配信や投稿を開始、また特別な機材が無くても配信できることで個人でも容易に始めることができるようになった。最近では専門学校が「Vtuberコース」を新設するなど新たなVtuberは日夜生まれ続けている。今も彼ら彼女らはYouTubeをはじめとしたサイトで配信や動画投稿を続けている。
増えるvtuberに対し、vtuberを視聴するファンは、vtuberの数に比例して増えているわけではない。
製品ライフサイクルの世界では、導入期、成長期、成熟期、衰退期というものがあるが、これにあてはめると、衰退期に差し掛かっているかもしれない。
vtuberはもともとバーチャルYouTuberなどと呼ばれていたが、いまはこの表現が用いられることは減った。そして増加していく中で、バーチャル世界のYouTuberと呼ぶには程遠い活動実態が浮き彫りになった。
YouTuberの多くが短時間の動画投稿を主軸とする一方、vtuberは1時間に渡るゲーム配信、雑談配信など単にYouTubeにニコニコ動画生主・実況者の文化を持ち込んだような者も見られる。
そもそも昨年の爆発的ブームで生まれたのは同じような顔をした量産型萌えキャラで、中身は有名でも無い生主や売れない地下アイドルらが看板を掛け替えただけで、トーク力も皆無という者もいた。(当然、チャンネル登録者はあまり伸びなかった)このほかにも、YouTubeに一時間を超えるような長いコンテンツは視聴者の負担になること、そもそもYouTuberが受け入れられる層とVtuberが受け入れられる層ではあまりにも差があり、Vtuberを見る人間を増やすのは困難を極める。
箱という団体中心主義
じゃあどうやって見てもらうのよ、あるいはファンの人はどのようにしているのかというと、ハコで推すことが鍵となる。
YouTuberはMCN(マルチ・チャンネル・ネットワーク)と呼ばれるYouTuberの芸能事務所に所属している。ヒカキンなどが所属する「UUUM」やヒカルが所属していた「VAZ」などが有名だ。
Vtuber界隈ではキズナアイなどが所属する「Upd8」、電脳少女シロが所属する「アップランド」などMCNは多く存在するがMCNが一つのハコに近い形なっていることが多い。ちなみに「Upd8」は「UUUM」に近く、一つのハコとして活動することは少ない。(初期はあったようだが)
そのため、ここでは一つのMCNが一つのハコとして存在しているもので、そこそこ代表的なものを3つか4つくらいと参考動画を挙げる。正直、ニコニコ動画でまとめが上がってるのでそっち見た方が手っ取り早いが。
にじさんじ
「にじさんじ」は有名なハコの一つ。「いちから」という会社が運営する。バーチャルの世界を飛び出し、昨年にはリアルイベントも開催。最近ではタカラトミーのトレーディングカード「WIXOSS」に登場など、70人超が所属するVtuber業界で最大手団体。あまりにも多いのでいくつもユニットやコンビがある。
定期的に新メンバーが登場し、男性や女性、人外が所属する。基本的に生配信が多いが、10分程度の動画投稿を行う者もおり、にじさんじ内でのコラボ配信が毎日のように行われることで、視聴者がにじさんじ内を回遊するようにしている。
代表的な存在がバーチャル四天王ブーム以降のVtuber界を牽引した月ノ美兎である。
学級委員長で清楚キャラというコンセプトを無視し、「ムカデ人間を見た」「雑草を食べたことがある」などの発言をトリガーにして人気Vtuberとして活躍。
彼女のほか、トーク中心の配信を得意とする者も多い。
デビューした新人の中の人が過去(彼ら彼女らの過去はしばしば前世ともよばれる)に問題を抱える人物だったことについて数日で脱退させる形で早急に対処したという出来事もあったり、人数が多いからこそ生まれる問題も出てきている。配信の内容、トークスキルなどは差があるように感じるが、それを視聴者が面白くすることで視聴者拡大につなげているようだ。
最近では個人Vtuberを支援するためMCNを「にじさんじ」を運営するいちからが開設。MCNを巻き込んだ大きなVtuberのハコとなるのか、今後の展開に注視する必要がある。
ホロライブ
その「にじさんじ」とのコラボが多いハコは2つ。歌系配信者、ときのそらなどが所属する「ホロライブ」。女性配信者が主に雑談やゲーム配信を行う。メンバーは22人とにじさんじに比べると小さく、登録者もそこまで多いわけではないが、着実に視聴者を増やしている。
設立当初からのVtuberであるときのそらは、初の配信が13人というスタートだったが、現在では登録者24万人、ワンマンライブを実施するなど、シンデレラストーリーを駆け上がった。インターネットミームに弱いことなど、バーチャル界に現れた真の清楚だと評価される一方、それ以外のメンバーには、dlsiteのようなエッチなASMR配信や、WiiFitの配信で体重がばれてしまった者、エロゲ大好き、下ネタ配信をする者もいたりと、全員が清楚とはいえず、規制ギリギリを攻めるエッチな発言が出てくることから、団体名をもじって「エロライブ」などと呼ばれる。
中国へ進出した際には現地担当者が京都の火災に対する不適切な投稿をしたことで炎上し、中の人でなく運営企業のあり方が問われる出来事もあった。
配信が中心ではあるが、週に1度ショートアニメを投稿しており、ハコ推しを更に強めるような宣伝をしている。現在、22人の配信者と2人の音楽中心タレントを抱える。
有閑喫茶あにまーれ
【緊急招集】NGなしのあにまーれ!ハロウィンを理由に渋谷よりうるさい放送【因幡はねる / あにまーれ】
もう一つのハコが「有閑喫茶あにまーれ」、こちらはキズナアイなどが所属する事務所「Upd8」内のアイドル団体。技術提携などの裏側の面で「にじさんじ」を運営するいちからが製作協力しているが団体は別。こちらは3人と少数精鋭だが、炎上をエンタテイメントに昇華することで注目されるという特徴もある。ネットミームに詳しいのか詳しくないのか、北朝鮮のプロパガンダ楽曲「コンギョ」の熱唱や、謝罪会見を開くなどしている。
中心メンバーは因幡はねる。いろいろな配信でMCを務めることもしばしばあるため、Vtuber界隈ではなんとなーく知られているようだ。
先日まで所属していたメンバーを含めた4人で24時間生配信をした際には屋外でロケを実施するなどもバーチャルとは?という出来事もあった。
アイドル部
このほかにもアイドルを前面に押し出したのが電脳少女シロやばあちゃるが所属する事務所「ドットライブ」内の女性グループ「アイドル部」 も人気がある。
アイドル部は12人。当初は運営元によるスマホゲーム内のキャラクターがVtuber化(そんなゲームは無かったことにされている)したものに加え、個人で活動していたVtuberを加えたグループとして結成された。コラボ配信は少ないが、地上波のレギュラー番組(Vtuberで唯一レギュラー番組がある団体でもある)で自社や他団体、個人などと共演するという形でコラボしている。それぞれがリレー形式で夕方から夜間にかけて配信するといった箱推しにさせるための工夫がなされている。
また、チャンネル登録者数が少ない時期から早い段階で3D化し、MMDを配布したことから、ファンによるMMDが製作されていることで二次創作も人気が高い。その一方で運営者のばあちゃる氏が一部のファンに対し「モンスターペアレントだ」と発言したことで炎上。リアルイベントににじさんじなどの他社、個人Vtuberが出演することで炎上するなど、独自色を強くしすぎた結果、ファン層も独自色を求めるようになってしまったようだ。
このほかにも前述のアイドル部とは特に関係はなく、運営企業も別の「ゲーム部」、同じ企業が運営する「Folia」、運営企業とのトラブルでゲーム部から離れた魂らによる「Project A.I.D」、あにまーれの妹分「ハニーストラップ」などがある。
まぁこの辺は私には分からないので見たらかきます。
おわりに
これはとてもクソどうでもいい話なんですけど、このごろはあまりにも拗らせすぎて現実世界の女性に対しかわいいという感情を押し殺すようになってきましたが、2次元世界の女性だと「かわいいなぁ」と素直に声に出して言えるようになりました。この「かわいい」を声に出してしまう問題ですが、社会人なりたてのころに水族館のペンギンを見て「かわいい」と発した以来出せていないと思われ、まだ自分の中に愛でる感情が残ってるんだなぁと彼女らの配信をみて思いました。というリハビリ方法もありますので愛でる感情に飢えてる方はすみだ水族館かVtuberをみてください、という話です。
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